
イタリア・ローマにあるパラッツォ・バルベリーニ (Palazzo Barberini) は、バロック建築のパラッツォ(大規模な邸館)。
バルベリーニ宮(Palazzo Barberini)とコルシーニ宮(Palazzo Corsini)の2つからなる建物はバロック建築の芸術作品です。現在は国立古典絵画館となっています。
目 次
パラッツォ・バルベリーニの歴史
もともとこの場所はスフォルツァ家の敷地であったが、バルベリーニ家が買い取ったもので、1633年までにおおむね完成したこの建築は、ウルバヌス8世(フィレンツェのバルベリーニ家出身)の命で建設された。当初建設の任にあったカルロ・マデルノが1629年に死去すると、その後はジャン・ロレンツォ・ベルニーニと、マデルノの親類であったフランチェスコ・ボッロミーニが引き継いだ。建設を依頼したのはウルバヌス8世の甥のタッデオ・バルベリーニ(英語版)であったとする資料もあり、これによれば依頼したのは1627年であった。
引用:Wikipediaより
バルベリーニ家の所有でしたが、1949年に至り政府の所有となりました。現在は、国立古典絵画館として利用されています。
1953年の映画『ローマの休日』で、登場人物のアン王女(オードリー・ヘプバーン)が滞在し、脱走する某国大使館の門はパラッツォ・バルベリーニの門で撮影されました。
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バロック時代を代表する巨匠のコラボレーション

バルベリーニ宮は、ベルニーニとボロミーニのバロック時代を代表する巨匠のコラボレーションによって実現しました。
建物の内外とも素晴らしい建築の美を楽しめます。
バルベリーニ宮は、1627年〜1629年教皇ウルバヌス8世の命により、建築家カルロ・マデルノと助手のフランチェスコ・ボロミーニにより建設が開始され、その後ジャン・ロレンツォ・ベルニーニとボロミーニにより完成されました。
バルベリーニ宮は、地下鉄A線のバルベリーニ駅のほぼ真上にあります。
バルベリーニ駅を降りると、駅上の広場がバルベリーニ広場があります。
コルシーニ宮は下町と呼ばれるローマの西側のトラステヴェレ地区にあります。
バルベリーニ宮は12世紀~18世紀までのコレクションを展示しています。コルシーニ宮は主に海外の作家の作品や17世紀以降の作品を所蔵しています。
zip: Via delle Quattro Fontane, 13, 00187 Roma RM, Italy
tel: +39 06 481 4591
3階建てのバルベニーニ宮

3階建ての壮大な邸宅の正面の上には、紋章のようなものがあります。
よく見ると人ではなく、目と口にに当たる部分には蜂が施されています。この紋章のような細工を見るだけでもうっとりします。

美しいイタリア式の庭園

どこを歩いても見応えがありますが、美しいイタリア式の庭園は魅力的なので、美術館をみた後にしっかり見ておきたいところです。
世界の珍しい植物が集めて植栽されています。リスボンのオレンジやインドの黄色いジャスミン、バラ、刈り込みがとても素敵です。
インテリアにグリーンを取り入れることは庭がなくても、ベランダにプランタを置いて栽培することも、室内で観葉植物など育てることができます。
植物の育つ過程を見ていると日々の癒しになります。
海外では雑草の扱いになるローズマリーを育てていますが、虫除け、食事のスパイス、半身浴の入浴剤として使っています。葉がしなってきたら水やりをする程度で、どんどん育つので、小さなものを購入し、増やすことが簡単にできます。
ピエトロ・ダ・コルトーナの天井画

1~3階にコレクションが名作といわれる作品が展示されています。
見学出来る場所は広くはありませんが、旧邸宅の各部屋自体が芸術的なので、ゆっくり歩きながら見ることができます。絵画は約1450点、彫像などは2100点に及びます。
大広間には、建築家・画家のピエトロ・ダ・コルトーナが神の摂理の勝利をテーマに、天井画があります。(1632~1639年)
ダイナミックな動きのあるフレスコ画はとても圧倒されます。
フィリッポ・リッピ《受胎告知とふたりの寄付者》

バルベリーニ宮(国立古典絵画館)
1階の第3室には、フィレンツェ派の巨匠、フィリッポ・リッピ『受胎告知とふたりの寄付者』が展示されています。
受胎告知は様々な画家が描かれていますが、名作なので見ておきたい絵画です。
その他には『タルクイニアの聖母』も展示されています。
主な収蔵作品
1階
- フィリッポ・リッピ『タルクイニアの聖母』(Madonna di Tarquinia)
- フィリッポ・リッピ『受胎告知とふたりの寄付者』(Annunciazione e due donatori)
- ベッリーニ『男の肖像』(Ritratto di Uomo)
- ベッリーニ『キリストの祝福』(Chiristo benedicente)
2階
- ピエロ・ディ・コジモ『読書するマッダレーナ』(La Maddalena che legge)
- ラファエロ『フォルナリーナ』(La fornarina)
- ロレンツォ・ロット『聖カテリーナの神秘的婚姻』(Matrimonio mistico di Santa Caterina d’Alessandria)
- ティツィアーノ『狩りに出かけるヴィーナスとアドニス』(Venere tenta di trattenere Adone dell’andare a caccia)
- グエルチーノ『我アルカディアにあり』(I pastori in Arcadia (Et in Arcadia Ego) )
- カラヴァッジョ『ホロフェルネスの首を斬るユーディト』(Giuditta e Oloferne)
- カラヴァッジョ『ナルシス』(Il Narciso)
- カラヴァッジョ『瞑想する聖フランチェスコ』(San Francesco in meditazione)
3階
- ベルニーニ『ウルバヌス8世の肖像(絵画)』(Ritratto di Urbano VIII)
- ベルニーニ『ウルバヌス8世の肖像(胸像)』(Ritratto di Urbano VIII)
- ベルニーニ『ゴリアテの首を持つダヴィド』(David con la testa di Golia)
見たことがある数多くの名作が所蔵されているので、ローマへ行った時に見ておきたい美術館です。時空を超えた空間にゆっくり浸ることができます。
世界遺産フィレンツェ歴史地区にある、メディチ家のイタリア|有名絵画が集まるウフィツィ美術館は、ドーリア式の回廊の上に2階、3階部分が建設されたルネッサンス様式の建築物です。
大戦を生き延びたフィレンツェ唯一の橋、イタリア|宝飾品店が並ぶポンテ・ヴェッキオもイタリアへ行った時に見比べてみると楽しいです。